■ 参考サイト
2014年5月30日金曜日
Parallels Desktop上のWindowsでUSキーボードから日本語入力切替
Parallels Desktop上のWindowsでキーボードから日本語入力を切替る場合,デフォルトではcaps lockを押せば良いのですが,「alt」 + 「~(チルダ)」でも切替できるそうです.
Parallels Desktop上のwindowsでUSキーボードを使う方法
Parallels Desktop上のwindowsでUSキーボードを使う方法を探していたら以下のホームページに詳しく解説してありました.助かりました.ありがとうございました.
■ ITリテラシー協会
Parallels Desktop上のWindowsをUS配列キーボードで使う方法
■ ITリテラシー協会
Parallels Desktop上のWindowsをUS配列キーボードで使う方法
2013年11月7日木曜日
2020年「自動運転」には技術とともに法整備も課題 !
clicccar.com(2013.10.18)
最先端のIT技術で交通事故や渋滞を減らす将来の交通システムについての国際会議「第20回ITS世界会議 東京2013」が、10月14(月)~18日(金)にかけて東京ビッグサイトで開催されました。
「Open ITS to the Next」をテーマに参加国60ヶ国、会議参加者8000人以上となるビッグイベントで、日本での開催は9年ぶり。
開会式では「ITS JAPAN」の渡辺浩之会長が自動運転システム実現への意気込みを語り、安倍首相も「成長戦略における重要な要素として規制緩和やインフラ整備を積極的に進めていきたい」とのコメント映像を寄せるなど気合の入れようが覗えます。
今回のITS世界会議は「CEATEC JAPAN」、「東京モーターショー2013」と連携した3部構成となっています。
イベントでは自動運転技術や高度運転支援の関連技術が数多く紹介され、トヨタやホンダ等、国内外の自動車メーカーが実演走行を披露してITS技術を世界にアピール。
トヨタは2010年代半ばの実用化を目標に高速道路での自動運転システムを開発しており、国土交通省の承認を得て2年前から公道試験を実施、今回実際に自律走行する試験車両(有人)を初公開しました。
GMもクルーズ・コントロールシステムを発展させた「スーパー・クルーズ」と称する高速道路での自動運転システムを2020年までに実用化予定で、人間による操作が必要となった場合にドライバーへ運転操作の介入を求めるシステムとなっている模様。
こうした技術革新で課題となって来るのが自動運転中に事故が起きた際の責任問題。
自動化が進むほど運転者がシステムに依存して注意力や技量が低下しかねないほか、事故の原因究明や責任明確化が難しくなるという課題が浮上しており、自動走行中に通信を伴う場合はハッキングによるテロ対策の必要性 も懸念されています。
そもそも自動運転システムにはGoogleや日産などが取り組んでいる「自律型」と、トヨタやホンダが開発を進めている「インフラ協調型」の2方式が存在。
前者が自動運転の際に車載センサーやカメラの情報を主にしているのに対して、後者は外部からの情報(信号・道路標識・GPS)を取り込んで車載センサーやカメラの情報と融合・情報処理しながら自律走行する方式で、外部情報を利用することによるシステムコストの低減が期待されています。
カーブ先の渋滞や故障車など、レーダーやセンサーだけでは検知できない情報をキャッチすることで、より安全な自動運転の実現を目指している訳ですが、逆に外部電波を悪用した意図的な走行妨害を受ける可能性が懸念されます。
実際、国土交通省主催の「オートパイロットシステムに関する検討会」でも無線による遠隔操作へのセキュリティ対応の必要性が取り上げられるなど、安全対策が議論されつつあるようです。
今後どちらの方式で進むのか、若しくは両方式が共存するのかが課題となりそうですが、何れにしても人の手を介さない「完全自動運転」で高速道路や一般道を走行する事になれば、現状の道路交通法第70条でドライバー自身に課している「安全運転義務」をどのように扱うかの議論になるのは明白。
ドライバーに過失が無くても、自動運転システム自体の不具合や外部要因による事故などの可能性も考えられることから、今後は「自動運転」の普及に向けた法整備も平行して進められることになるものと思われます。
■第20回ITS世界会議 東京2013
http://www.itsworldcongress.jp/japanese/
■ITS JAPAN
http://www.its-jp.org/
■国土交通省 オートパイロットシステム検討会
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/autopilot/
最先端のIT技術で交通事故や渋滞を減らす将来の交通システムについての国際会議「第20回ITS世界会議 東京2013」が、10月14(月)~18日(金)にかけて東京ビッグサイトで開催されました。
「Open ITS to the Next」をテーマに参加国60ヶ国、会議参加者8000人以上となるビッグイベントで、日本での開催は9年ぶり。
開会式では「ITS JAPAN」の渡辺浩之会長が自動運転システム実現への意気込みを語り、安倍首相も「成長戦略における重要な要素として規制緩和やインフラ整備を積極的に進めていきたい」とのコメント映像を寄せるなど気合の入れようが覗えます。
今回のITS世界会議は「CEATEC JAPAN」、「東京モーターショー2013」と連携した3部構成となっています。
イベントでは自動運転技術や高度運転支援の関連技術が数多く紹介され、トヨタやホンダ等、国内外の自動車メーカーが実演走行を披露してITS技術を世界にアピール。
トヨタは2010年代半ばの実用化を目標に高速道路での自動運転システムを開発しており、国土交通省の承認を得て2年前から公道試験を実施、今回実際に自律走行する試験車両(有人)を初公開しました。
GMもクルーズ・コントロールシステムを発展させた「スーパー・クルーズ」と称する高速道路での自動運転システムを2020年までに実用化予定で、人間による操作が必要となった場合にドライバーへ運転操作の介入を求めるシステムとなっている模様。
こうした技術革新で課題となって来るのが自動運転中に事故が起きた際の責任問題。
自動化が進むほど運転者がシステムに依存して注意力や技量が低下しかねないほか、事故の原因究明や責任明確化が難しくなるという課題が浮上しており、自動走行中に通信を伴う場合はハッキングによるテロ対策の必要性 も懸念されています。
そもそも自動運転システムにはGoogleや日産などが取り組んでいる「自律型」と、トヨタやホンダが開発を進めている「インフラ協調型」の2方式が存在。
前者が自動運転の際に車載センサーやカメラの情報を主にしているのに対して、後者は外部からの情報(信号・道路標識・GPS)を取り込んで車載センサーやカメラの情報と融合・情報処理しながら自律走行する方式で、外部情報を利用することによるシステムコストの低減が期待されています。
カーブ先の渋滞や故障車など、レーダーやセンサーだけでは検知できない情報をキャッチすることで、より安全な自動運転の実現を目指している訳ですが、逆に外部電波を悪用した意図的な走行妨害を受ける可能性が懸念されます。
実際、国土交通省主催の「オートパイロットシステムに関する検討会」でも無線による遠隔操作へのセキュリティ対応の必要性が取り上げられるなど、安全対策が議論されつつあるようです。
今後どちらの方式で進むのか、若しくは両方式が共存するのかが課題となりそうですが、何れにしても人の手を介さない「完全自動運転」で高速道路や一般道を走行する事になれば、現状の道路交通法第70条でドライバー自身に課している「安全運転義務」をどのように扱うかの議論になるのは明白。
ドライバーに過失が無くても、自動運転システム自体の不具合や外部要因による事故などの可能性も考えられることから、今後は「自動運転」の普及に向けた法整備も平行して進められることになるものと思われます。
■第20回ITS世界会議 東京2013
http://www.itsworldcongress.jp/japanese/
■ITS JAPAN
http://www.its-jp.org/
■国土交通省 オートパイロットシステム検討会
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/autopilot/
“樹脂らしくない”iPhone 5cボディーの秘密、そこに込められた工夫と努力 【銘品分解】
日経トレンディネット(2013.10.29)
発売前は「中国市場向けの廉価版」と見られていたiPhone 5c。しかし、実際に触れて見ると、樹脂特有の安っぽさは全くない。今回は、その作り方の秘密に迫る。
多くの人がプラスチックに対して抱く偏見に、真っ向から挑んだデザイン。iPhone 5cの特徴を簡単に言い表すと、そんな表現が当てはまる。
持つと、しっとりと手に吸い付くように感じる手触り。本体をポケットに入れるときのなめらかに滑り落ちる感覚。そして、光を当てて反射させて見ても、ほとんどゆがみを確認できない表面。そこにプラスチック製品が持つネガティブな要素は見当たらない。
今回はアップルのiPhone 5cを、東京大学生産技術研究所の山中俊治・教授や外装設計に詳しい技術者とともに分解。樹脂の常識を覆したモノ作りの工夫に迫った。
●安っぽさの原因は射出成形にあり
一般的に「プラスチックのような」という表現は、ほめ言葉として使われることは少ない。金型の割れ目にできる線や、光に当てると目立つ表面のゆがみなど、大量生産ゆえの配慮に欠けた安っぽさが目立つ製品を想像する人が多いはずだ。ただし、それはプラスチックが悪いわけでは決してない。
金属らしい精緻な高級感や、磁器のようなつややかな質感、ガラスのような平滑さ、そしてプラスチックの安っぽさなど…。こうした素材の「らしさ」を生み出す要因は「素材そのものの性質と言うより、むしろ加工方法に起因することが多い」と山中教授は説明する。
プラスチックの質感そのものが安っぽいのではなく、問題はむしろ、射出成形などプラスチックを成形する際の技術の利用方法にあるというわけだ。
射出成形は、簡単に言えば熱を加えてドロドロに溶かした樹脂を、圧力をかけながら金型に流し込む成形法。金型の作り方次第で、基本的にどのような形も作れる便利な加工方法だ。
自由に形を作れるため、射出成形で樹脂のきょう体を作る場合は、1回の加工できょう体に必要な要素をすべて成形するように設計するのが普通だ。例えばきょう体の内側には、リブと呼ばれる補強のための板をはわせ、内部の部品をきょう体に固定させるためのボスと呼ばれるねじ穴も同時に作る。
カメラのレンズをはめ込むための穴などもあらかじめ用意しておくなど、1回の成形工程でほぼすべての要素を作ってしまうというのが、これまでの樹脂きょう体の常識的な製造工程だ。製造工程を簡略化できるため、きょう体の製造コストは低くなる。
一方で、こうして何でも1回の成形で作ろうとして金型を複雑にすればするほど、確実にきょう体が歪むという弱点を射出成形は持つ。表面はまっすぐだとしても、裏側の厚みが違えば、型から抜いて冷やしたときにきょう体に無理な力がかかってゆがみ、それが表面にも影響を及ぼすことになるのだ。同じように穴の開いた形状を射出成形で作ると「穴の周囲に向かって面が歪む」(山中教授)。ほんのわずかな歪みやゆがみを、消費者は光の反射などを通して敏感に感じ取り、無意識のうちに安っぽいと感じるようになるのだ。
●つややかにするためのひと手間
射出成形で樹脂製品を作るにあたり、多くのメーカーはこうした問題を認識して、その解決方法を探ってきた。たとえばセイコーエプソンは、ピアノのようにつややかな面のプリンターを作るために研究を重ねた結果、射出成形時の樹脂の流れの乱れが面のゆがみの原因となることを発見。材料を注意深く選び樹脂が流れやすくなるようなリブ構造を採用したり、樹脂の板厚に配慮するなどの工夫を重ねてきた。同社だけではなく、各社樹脂の安っぽさを解消の努力を行い、独自のノウハウを積み上げてきた。
ただし、iPhone5cでアップルが使うのは強度はあるが「樹脂の中でも形を出しにくい」と山中教授が言うポリカーボネート。高温に熱しても粘度が高いままで、金型内での樹脂の流れが悪い。小手先の工夫で完璧な面を作れるかは分からない。
そこでアップルが編み出したのが、射出成形の工程ではきょう体にボスやリブなどを一切付けず、プレーンな箱だけを作るという方法だ。強度に必要なリブや、製品の組み付けに必要なボスは、成形後に金属部品を接着したり、溶接することで補う。さらに、面のゆがみのもう1つの原因となるボタンやカメラレンズのための穴を、金属部品を接着して強度を確保した後で切削加工で開けることで歪みを解消した。
こうした工夫の結果が下の写真だ。ほとんどゆがみが見られないほどつややかな面を実現。例えば台湾HTCのHTC J butterflyや韓国サムスン電子のGALAXY 4Sの背面パネルと比較すると、その差は歴然だ。
とはいえ、iPhone 5cの樹脂きょう体は決して完璧ではない。日経デザインが購入したソフトバンク製の黄色いiPhone 5cは寸法精度に問題があり、画面のガラスパネルときょう体の間に0.5ミリほどのすき間とゆがみが出来ていた。ゆがみが生じていた場所は「樹脂を注入する『ゲート』と呼ばれる場所から最も遠い位置にあり、一番問題が起きそうな場所」(山中教授)だ。金型の温度管理の問題なのか、樹脂がスムーズに流れていかなかったのだろうと推測できる。
日経デザインが見たほかの数個のきょう体には同じような問題は見付からなかったため、たまたま運悪く寸法精度の良くない製品に当たったようだ。ただ、販売して間もない新しいアップル製品が、こうした問題を抱えていることは少なくない。外装部品の開発に詳しいある技術者によると「一般的に大量の需要がある製品の初期ロットでは、品質基準を若干落としてでも、生産量を確保するケースがある」と解説する。アップルのように、特に発売時に製品数を多く確保する必要があるメーカーの場合は、なおさらだろう。
またアップル製品としてはめずらしく、iPhone 5cでは見えない所に手を抜いていることも今回の分析で分かった。それは、ボタンやスピーカー部のために切削加工で開けた穴の処理だ。肉眼ではほとんど見えないが、拡大して見ると切削した後のチリがまだたくさんこびりついているのが確認できた。
製品の内部にまで、細心の注意を払ってデザインするアップルだが、同社も「人間の目の解像度」を超える部分については、さすがにコストダウンを優先しているようだ。
発売前は「中国市場向けの廉価版」と見られていたiPhone 5c。しかし、実際に触れて見ると、樹脂特有の安っぽさは全くない。今回は、その作り方の秘密に迫る。
多くの人がプラスチックに対して抱く偏見に、真っ向から挑んだデザイン。iPhone 5cの特徴を簡単に言い表すと、そんな表現が当てはまる。
持つと、しっとりと手に吸い付くように感じる手触り。本体をポケットに入れるときのなめらかに滑り落ちる感覚。そして、光を当てて反射させて見ても、ほとんどゆがみを確認できない表面。そこにプラスチック製品が持つネガティブな要素は見当たらない。
今回はアップルのiPhone 5cを、東京大学生産技術研究所の山中俊治・教授や外装設計に詳しい技術者とともに分解。樹脂の常識を覆したモノ作りの工夫に迫った。
●安っぽさの原因は射出成形にあり
一般的に「プラスチックのような」という表現は、ほめ言葉として使われることは少ない。金型の割れ目にできる線や、光に当てると目立つ表面のゆがみなど、大量生産ゆえの配慮に欠けた安っぽさが目立つ製品を想像する人が多いはずだ。ただし、それはプラスチックが悪いわけでは決してない。
金属らしい精緻な高級感や、磁器のようなつややかな質感、ガラスのような平滑さ、そしてプラスチックの安っぽさなど…。こうした素材の「らしさ」を生み出す要因は「素材そのものの性質と言うより、むしろ加工方法に起因することが多い」と山中教授は説明する。
プラスチックの質感そのものが安っぽいのではなく、問題はむしろ、射出成形などプラスチックを成形する際の技術の利用方法にあるというわけだ。
射出成形は、簡単に言えば熱を加えてドロドロに溶かした樹脂を、圧力をかけながら金型に流し込む成形法。金型の作り方次第で、基本的にどのような形も作れる便利な加工方法だ。
自由に形を作れるため、射出成形で樹脂のきょう体を作る場合は、1回の加工できょう体に必要な要素をすべて成形するように設計するのが普通だ。例えばきょう体の内側には、リブと呼ばれる補強のための板をはわせ、内部の部品をきょう体に固定させるためのボスと呼ばれるねじ穴も同時に作る。
カメラのレンズをはめ込むための穴などもあらかじめ用意しておくなど、1回の成形工程でほぼすべての要素を作ってしまうというのが、これまでの樹脂きょう体の常識的な製造工程だ。製造工程を簡略化できるため、きょう体の製造コストは低くなる。
一方で、こうして何でも1回の成形で作ろうとして金型を複雑にすればするほど、確実にきょう体が歪むという弱点を射出成形は持つ。表面はまっすぐだとしても、裏側の厚みが違えば、型から抜いて冷やしたときにきょう体に無理な力がかかってゆがみ、それが表面にも影響を及ぼすことになるのだ。同じように穴の開いた形状を射出成形で作ると「穴の周囲に向かって面が歪む」(山中教授)。ほんのわずかな歪みやゆがみを、消費者は光の反射などを通して敏感に感じ取り、無意識のうちに安っぽいと感じるようになるのだ。
●つややかにするためのひと手間
射出成形で樹脂製品を作るにあたり、多くのメーカーはこうした問題を認識して、その解決方法を探ってきた。たとえばセイコーエプソンは、ピアノのようにつややかな面のプリンターを作るために研究を重ねた結果、射出成形時の樹脂の流れの乱れが面のゆがみの原因となることを発見。材料を注意深く選び樹脂が流れやすくなるようなリブ構造を採用したり、樹脂の板厚に配慮するなどの工夫を重ねてきた。同社だけではなく、各社樹脂の安っぽさを解消の努力を行い、独自のノウハウを積み上げてきた。
ただし、iPhone5cでアップルが使うのは強度はあるが「樹脂の中でも形を出しにくい」と山中教授が言うポリカーボネート。高温に熱しても粘度が高いままで、金型内での樹脂の流れが悪い。小手先の工夫で完璧な面を作れるかは分からない。
そこでアップルが編み出したのが、射出成形の工程ではきょう体にボスやリブなどを一切付けず、プレーンな箱だけを作るという方法だ。強度に必要なリブや、製品の組み付けに必要なボスは、成形後に金属部品を接着したり、溶接することで補う。さらに、面のゆがみのもう1つの原因となるボタンやカメラレンズのための穴を、金属部品を接着して強度を確保した後で切削加工で開けることで歪みを解消した。
こうした工夫の結果が下の写真だ。ほとんどゆがみが見られないほどつややかな面を実現。例えば台湾HTCのHTC J butterflyや韓国サムスン電子のGALAXY 4Sの背面パネルと比較すると、その差は歴然だ。
とはいえ、iPhone 5cの樹脂きょう体は決して完璧ではない。日経デザインが購入したソフトバンク製の黄色いiPhone 5cは寸法精度に問題があり、画面のガラスパネルときょう体の間に0.5ミリほどのすき間とゆがみが出来ていた。ゆがみが生じていた場所は「樹脂を注入する『ゲート』と呼ばれる場所から最も遠い位置にあり、一番問題が起きそうな場所」(山中教授)だ。金型の温度管理の問題なのか、樹脂がスムーズに流れていかなかったのだろうと推測できる。
日経デザインが見たほかの数個のきょう体には同じような問題は見付からなかったため、たまたま運悪く寸法精度の良くない製品に当たったようだ。ただ、販売して間もない新しいアップル製品が、こうした問題を抱えていることは少なくない。外装部品の開発に詳しいある技術者によると「一般的に大量の需要がある製品の初期ロットでは、品質基準を若干落としてでも、生産量を確保するケースがある」と解説する。アップルのように、特に発売時に製品数を多く確保する必要があるメーカーの場合は、なおさらだろう。
またアップル製品としてはめずらしく、iPhone 5cでは見えない所に手を抜いていることも今回の分析で分かった。それは、ボタンやスピーカー部のために切削加工で開けた穴の処理だ。肉眼ではほとんど見えないが、拡大して見ると切削した後のチリがまだたくさんこびりついているのが確認できた。
製品の内部にまで、細心の注意を払ってデザインするアップルだが、同社も「人間の目の解像度」を超える部分については、さすがにコストダウンを優先しているようだ。
米Yahooが Flickr を全面リニューアル、無料で1TBまでアップロード可能に
Engadget Japanese(2013.5.21)
米Yahoo が20日に開催したニューヨークでのメディアイベントは、買収したばかりの Tumblr よりも Flickr の全面リニューアル発表がメインでした。
「Tumblr はダメにしない」と約束すれば「じゃあ Flickr はどうなった?」と即答されるほど買収後の凋落を嘆かれる Flickr ですが、Yahooは過ちを認め、 Flickr を再び素晴らしいサイトとして復活させるとうたっています。
リニューアルの目玉は大きな写真を敷き詰めた新ユーザーインターフェース、無料で1TB容量の提供 (「6.5Mピクセル写真にして53万7731枚」)、モバイルアプリの大幅強化など。続きには新デザインの概要と、発表からの質疑セッションを掲載します。
無料ユーザーがアップロードできる容量を1TBに拡大。「フルサイズ写真で53万7731枚分」(フルサイズは約2MB換算?)。
ウェブサイトとモバイルアプリのデザインを全面刷新。大きな写真を主体に。
旧 Flickr は写真のまわりの余白にテキストやリンクが散在する、いかにも素直な「写真+テキスト」のウェブページだったのに対して、新 Flickr は大きな写真を細いフレームで敷き詰めて、テキストをオーバーレイしたレイアウトへ。
最近の Google+ アルバムや、マイクロソフトの SkyDrive アルバム表示のように、写真をクロップせず余白なく敷き詰めて見せる。
モバイルアプリも新デザインに更新。Android版から。
最近は必須になった「共有アイコン」も常設。同じYahoo参加になった Tumblr はもちろんFacebook、Twitter、Pinterest、メールで共有。
一枚表示。白い余白にサイズ違いへのリンクが並ぶ見慣れた Flickr から、フル画面に近い表示と黒背景、上下にナビゲーションへ。
前職 Google のイベントでも何かと顔出ししていた Mayer CEOも会心のドヤ顔。
質疑より。
Q:Flickr と Tumblr を連携させたようなサービスは?
A:可能性はあるが、Tumblr は買ったばかりで話はまだ。
Q: Tumblr は NYCの新オフィスに移るのか?
A:移転しません。
Q:ユーザーにそんな大容量を与えてどう得になる?
A:「世界は写真で回ってる」。大事なのはできるかぎり無制限に近づけて、ユーザー、クリエーターが容量について心配しないで済むようにすること。
Q:Facebook や Instagram との違いは?
A:無制限のアップロードや、写真を切りとらず、縮小もしないこと。
また Yahoo は多くのパートナー企業と密接に協力しており、競合排除を避ける。アップル、マイクロソフト、Google、Facebook と協力して、Flickr の写真が最適なフォーマットで扱えるようにしている。
Q:発表したばかりの Tumblr 買収について。Tumblrの Karp CEOはどんな反応だったか。
A:Yahoo と Tumblr は相補的な関係。Yahoo はコンテンツが欲しかった、Tumblr は大企業のリソースやツールが必要だった。当初は買収ではなく、提携のつもりで話を進めていた。
Q:Tumblr とYahooの客層、年齢層の違いについて。
A:Tumblr のユーザー層は若く、Yahoo のユーザー層はもっと年齢が高め。Tumblr がリーチしている層はこれまで Yahooブランドが弱かった部分。お互いにとって成長の余地がある。
写真は老若問わず重要。新Flickr のデザインは使い方がシンプルになり、すべての年齢層に訴求する。
Q:Tumblr にアップロードするコンテンツに制限は設けるのか。
A:否。Tumblr はもともと、ほかの大多数のユーザーコンテンツサイトよりもアダルトコンテンツが実は少ない。また、望むユーザーにだけ見せて、望まないユーザーは見ないようにする技術もある。
Q:Flickr がふたたびすごいサービスになったからといって、どうやってそれを知ってもらうのか。
A:マーケティング。たとえばタイムズスクエアにはすでに11の大きな看板を設けて、Flickrのフォトストリームを流している。
Q:アップロードツールについて。
A:ウェブベースのシンプルなアップローダに加えて、OS X やモバイルにアップローダを統合。
Q:Flickr のプレミアムアカウントはなくなるのか?
A:" Flickr Pro " というものはない。 「プロ写真家」(とそうでない写真家との区別)がないように。
ストレージ上限を 2TB にする有料の「ダブラー」はある。また有料の広告オフオプションもある。
Q:Flickr 買収のように(失敗)しないために、社内的に何か変更したのか。
A:ほかの成功した買収から学んで、Tumblr は独立運営させることにした。勢いのある企業にはそれが重要。
Q:マネタイズを始める時期は。
A:すでに収益は上げている。またいくつか改善に向けて動いている。たとえば Mail から一部の広告を外して、かわりにもっと効率のよいものに変えた。ホーム画面広告も高品質で「シームレスに統合」されたものに変更など。
Q:ユーザーの写真を守るための冗長性確保は。
A:複数の場所のデータセンタやコロケーションサービスを使っている。心配はしていない。
Q:新デザインのお手本にしたのは?
A: 多数のモバイルアプリを研究した。
Retina ディスプレイが大きな変化を起こした。フル解像度でない写真はすぐに分かってしまう。
Q:Tumblr にとってYahooはなにができる。
A:投資と、人材を雇えることに加えて、コンテンツ発見ツールを提供できる。Yahoo には AI、パーソナライゼーション、検索の経験がある。
米Yahoo が20日に開催したニューヨークでのメディアイベントは、買収したばかりの Tumblr よりも Flickr の全面リニューアル発表がメインでした。
「Tumblr はダメにしない」と約束すれば「じゃあ Flickr はどうなった?」と即答されるほど買収後の凋落を嘆かれる Flickr ですが、Yahooは過ちを認め、 Flickr を再び素晴らしいサイトとして復活させるとうたっています。
リニューアルの目玉は大きな写真を敷き詰めた新ユーザーインターフェース、無料で1TB容量の提供 (「6.5Mピクセル写真にして53万7731枚」)、モバイルアプリの大幅強化など。続きには新デザインの概要と、発表からの質疑セッションを掲載します。
無料ユーザーがアップロードできる容量を1TBに拡大。「フルサイズ写真で53万7731枚分」(フルサイズは約2MB換算?)。
ウェブサイトとモバイルアプリのデザインを全面刷新。大きな写真を主体に。
旧 Flickr は写真のまわりの余白にテキストやリンクが散在する、いかにも素直な「写真+テキスト」のウェブページだったのに対して、新 Flickr は大きな写真を細いフレームで敷き詰めて、テキストをオーバーレイしたレイアウトへ。
最近の Google+ アルバムや、マイクロソフトの SkyDrive アルバム表示のように、写真をクロップせず余白なく敷き詰めて見せる。
モバイルアプリも新デザインに更新。Android版から。
最近は必須になった「共有アイコン」も常設。同じYahoo参加になった Tumblr はもちろんFacebook、Twitter、Pinterest、メールで共有。
一枚表示。白い余白にサイズ違いへのリンクが並ぶ見慣れた Flickr から、フル画面に近い表示と黒背景、上下にナビゲーションへ。
前職 Google のイベントでも何かと顔出ししていた Mayer CEOも会心のドヤ顔。
質疑より。
Q:Flickr と Tumblr を連携させたようなサービスは?
A:可能性はあるが、Tumblr は買ったばかりで話はまだ。
Q: Tumblr は NYCの新オフィスに移るのか?
A:移転しません。
Q:ユーザーにそんな大容量を与えてどう得になる?
A:「世界は写真で回ってる」。大事なのはできるかぎり無制限に近づけて、ユーザー、クリエーターが容量について心配しないで済むようにすること。
Q:Facebook や Instagram との違いは?
A:無制限のアップロードや、写真を切りとらず、縮小もしないこと。
また Yahoo は多くのパートナー企業と密接に協力しており、競合排除を避ける。アップル、マイクロソフト、Google、Facebook と協力して、Flickr の写真が最適なフォーマットで扱えるようにしている。
Q:発表したばかりの Tumblr 買収について。Tumblrの Karp CEOはどんな反応だったか。
A:Yahoo と Tumblr は相補的な関係。Yahoo はコンテンツが欲しかった、Tumblr は大企業のリソースやツールが必要だった。当初は買収ではなく、提携のつもりで話を進めていた。
Q:Tumblr とYahooの客層、年齢層の違いについて。
A:Tumblr のユーザー層は若く、Yahoo のユーザー層はもっと年齢が高め。Tumblr がリーチしている層はこれまで Yahooブランドが弱かった部分。お互いにとって成長の余地がある。
写真は老若問わず重要。新Flickr のデザインは使い方がシンプルになり、すべての年齢層に訴求する。
Q:Tumblr にアップロードするコンテンツに制限は設けるのか。
A:否。Tumblr はもともと、ほかの大多数のユーザーコンテンツサイトよりもアダルトコンテンツが実は少ない。また、望むユーザーにだけ見せて、望まないユーザーは見ないようにする技術もある。
Q:Flickr がふたたびすごいサービスになったからといって、どうやってそれを知ってもらうのか。
A:マーケティング。たとえばタイムズスクエアにはすでに11の大きな看板を設けて、Flickrのフォトストリームを流している。
Q:アップロードツールについて。
A:ウェブベースのシンプルなアップローダに加えて、OS X やモバイルにアップローダを統合。
Q:Flickr のプレミアムアカウントはなくなるのか?
A:" Flickr Pro " というものはない。 「プロ写真家」(とそうでない写真家との区別)がないように。
ストレージ上限を 2TB にする有料の「ダブラー」はある。また有料の広告オフオプションもある。
Q:Flickr 買収のように(失敗)しないために、社内的に何か変更したのか。
A:ほかの成功した買収から学んで、Tumblr は独立運営させることにした。勢いのある企業にはそれが重要。
Q:マネタイズを始める時期は。
A:すでに収益は上げている。またいくつか改善に向けて動いている。たとえば Mail から一部の広告を外して、かわりにもっと効率のよいものに変えた。ホーム画面広告も高品質で「シームレスに統合」されたものに変更など。
Q:ユーザーの写真を守るための冗長性確保は。
A:複数の場所のデータセンタやコロケーションサービスを使っている。心配はしていない。
Q:新デザインのお手本にしたのは?
A: 多数のモバイルアプリを研究した。
Retina ディスプレイが大きな変化を起こした。フル解像度でない写真はすぐに分かってしまう。
Q:Tumblr にとってYahooはなにができる。
A:投資と、人材を雇えることに加えて、コンテンツ発見ツールを提供できる。Yahoo には AI、パーソナライゼーション、検索の経験がある。
米Yahooが Tumblr買収を正式発表、「ダメにしないことを約束」。カープCEO続投で独立運営
Engadget Japanese(2013.5.20)
米 Yahoo が Tumblr の買収を正式に認めました。Yahoo と Tumblr の共同発表によると、両社は Yahoo が Tumblr を11億ドルで買収することで包括的合意に至ったとのこと。
両社連名のプレスリリースのほか、Yahooの CEO Marissa Mayer 氏と Tumblr の CEO David Karp 氏はそれぞれ Tumblr 上で個人名のコメントを出しており、特に Tumblr のカープCEOはいかにも当人らしい率直な物言いで Tumblr ユーザーに語りかけています。
追記:20日にニュヨークで開かれたメディアイベントでは、やっちまったほうの買収案件 Flickr の全面リニューアル発表のほか、質疑セッションでは Tumblr 買収についても多くの回答がありました。詳しくは Flickr 記事へ。
まず両社連名の正式な発表文では合意に続く2文目から、買収で Tumblr を「台無しにしない約束」として、 買収後も Tumblr は Yahoo 本体とは「別個のビジネス」として独立運営されること、創業CEOの David Karp が引き続き指揮することを明確にしました。
さらに、製品・サービスおよびブランドは引き続きTumblr 流の「遠慮のなさ、機知、クリエーターの力になることへの献身」によって独立して開発・決定されることなどを挙げ、既存 Tumblr ユーザーの動揺を鎮めることに努めています。
Yahoo のマリッサ・メイヤーCEO が yahoo.tumblr.com に投稿したのは、こちらもまず冒頭が「We promise not to screw it up. ぶち壊しにしないと約束します」から始まる文章。ほぼプレスリリースの内容に沿ったものですが、加えて Tumblr 側の今後のプロダクトロードマップも、チームも、率直で機知に富んだ態度も変わらないこと、Tumblr の目標である「クリエーターに力を与え、最高の作品を作り、ふさわしいオーディエンスの前に提示できるようにすること」は今後もそのままであると強調しています。
では買収でなにが変わるのか、といえば、Tumblrにとっては Yahoo のパーソナライゼーション技術や検索インフラを活用でき、ユーザーが求めるクリエーターやブロガー、コンテンツをもっと見つけやすくできること。Yahoo にとってはTumblr の500億ポストと、今後も毎秒900件・毎日7500万件のペースで加わる投稿が Yahoo のメディアネットワークと(より良い)検索体験に加わること。
またTumblrはこれまでマネタイズ後回しで快適さとユーザーベース拡大を優先してきましたが、ユーザーにとって気になる広告についても軽く触れられています。そちらは「両社は Tumblrにとって違和感がなく、ユーザーエクスペリエンスをより強化できるような広告の機会を作りだすことで協力します」。
さらにメイヤーCEOのコメントを引けば、「多くの意味で、TumblrとYahooほど違う組み合わせもありません。しかし同時に、これほど相補的な組み合わせもないでしょう」。メイヤー氏といえば、昨年夏に米Yahoo のCEOになる以前は Google のバイスプレジデントとして、検索や地図サービスなど担当の「Googleの顔」のひとりを務めていました。
一方、Tumblr 側の当事者デイヴィッド・カープCEO (1986年生まれ26歳) は、staff.tumblr.com にもう少し簡潔で率直な文を載せています。そちらはまず「Tumblr が Yahooに加わると伝えられてとてもうれしい」と切り出したあと (そのまま引用すると):
「これがどれほど素晴らしいことか説明する前に、まず心配を払拭させてほしい:われわれはムラサキにはならない。各ヘッドクオーターは移転しない。チームも変わらない。開発ロードマップは変わらない。そして、『クリエーターの力になり、最高の作品を作りふさわしい相手に届けられるよう手助けする』という使命は決して変わらない」
ではどう変わるのか、については、カープCEOによれば「単純に、Tumblr はもっと速く、良くなる」。やるべき仕事は以前から変わらず、まだまだ先は長いが、今後はもっとリソースが増えるのだ、と簡潔にして楽観的な説明です。
Yahooについては、元祖インターネット企業であり、メリッサ(CEO)は「インターネットをクリエーターのための究極のカンバスにする」というTumblrの夢を共有している、彼女に力を貸してもらえてこれほどありがたいことはないとの評価。
商売の面についても、広告という言葉はないものの、コミュニティや皆が愛するプロダクトを損なうことのないTumblr のビジネスのビジョンを共有できている、と表現しています。
結びは「これまでもそうだったように、Tumblrのすべては、この信じられないほどすばらしいコミュニティのおかげで成り立っている。失望はさせない。」(ついでに署名は「Fuck yeah, David」)。
このように、少なくとも両社CEOコメントのレベルでは、また特に Tumblr のサービスを David 個人の資質に結びつけて解釈してきたようなコアなオーディエンスにとっては、当面の心配を軽減させる言葉が並んでいます。 逆にいえば、「米Yahooに買われるとロクなことにならないだろう」という反応が世界的にここまで大きかったことに改めて感慨を覚えざるを得ません。
米 Yahoo が Tumblr の買収を正式に認めました。Yahoo と Tumblr の共同発表によると、両社は Yahoo が Tumblr を11億ドルで買収することで包括的合意に至ったとのこと。
両社連名のプレスリリースのほか、Yahooの CEO Marissa Mayer 氏と Tumblr の CEO David Karp 氏はそれぞれ Tumblr 上で個人名のコメントを出しており、特に Tumblr のカープCEOはいかにも当人らしい率直な物言いで Tumblr ユーザーに語りかけています。
追記:20日にニュヨークで開かれたメディアイベントでは、やっちまったほうの買収案件 Flickr の全面リニューアル発表のほか、質疑セッションでは Tumblr 買収についても多くの回答がありました。詳しくは Flickr 記事へ。
まず両社連名の正式な発表文では合意に続く2文目から、買収で Tumblr を「台無しにしない約束」として、 買収後も Tumblr は Yahoo 本体とは「別個のビジネス」として独立運営されること、創業CEOの David Karp が引き続き指揮することを明確にしました。
さらに、製品・サービスおよびブランドは引き続きTumblr 流の「遠慮のなさ、機知、クリエーターの力になることへの献身」によって独立して開発・決定されることなどを挙げ、既存 Tumblr ユーザーの動揺を鎮めることに努めています。
Yahoo のマリッサ・メイヤーCEO が yahoo.tumblr.com に投稿したのは、こちらもまず冒頭が「We promise not to screw it up. ぶち壊しにしないと約束します」から始まる文章。ほぼプレスリリースの内容に沿ったものですが、加えて Tumblr 側の今後のプロダクトロードマップも、チームも、率直で機知に富んだ態度も変わらないこと、Tumblr の目標である「クリエーターに力を与え、最高の作品を作り、ふさわしいオーディエンスの前に提示できるようにすること」は今後もそのままであると強調しています。
では買収でなにが変わるのか、といえば、Tumblrにとっては Yahoo のパーソナライゼーション技術や検索インフラを活用でき、ユーザーが求めるクリエーターやブロガー、コンテンツをもっと見つけやすくできること。Yahoo にとってはTumblr の500億ポストと、今後も毎秒900件・毎日7500万件のペースで加わる投稿が Yahoo のメディアネットワークと(より良い)検索体験に加わること。
またTumblrはこれまでマネタイズ後回しで快適さとユーザーベース拡大を優先してきましたが、ユーザーにとって気になる広告についても軽く触れられています。そちらは「両社は Tumblrにとって違和感がなく、ユーザーエクスペリエンスをより強化できるような広告の機会を作りだすことで協力します」。
さらにメイヤーCEOのコメントを引けば、「多くの意味で、TumblrとYahooほど違う組み合わせもありません。しかし同時に、これほど相補的な組み合わせもないでしょう」。メイヤー氏といえば、昨年夏に米Yahoo のCEOになる以前は Google のバイスプレジデントとして、検索や地図サービスなど担当の「Googleの顔」のひとりを務めていました。
一方、Tumblr 側の当事者デイヴィッド・カープCEO (1986年生まれ26歳) は、staff.tumblr.com にもう少し簡潔で率直な文を載せています。そちらはまず「Tumblr が Yahooに加わると伝えられてとてもうれしい」と切り出したあと (そのまま引用すると):
「これがどれほど素晴らしいことか説明する前に、まず心配を払拭させてほしい:われわれはムラサキにはならない。各ヘッドクオーターは移転しない。チームも変わらない。開発ロードマップは変わらない。そして、『クリエーターの力になり、最高の作品を作りふさわしい相手に届けられるよう手助けする』という使命は決して変わらない」
ではどう変わるのか、については、カープCEOによれば「単純に、Tumblr はもっと速く、良くなる」。やるべき仕事は以前から変わらず、まだまだ先は長いが、今後はもっとリソースが増えるのだ、と簡潔にして楽観的な説明です。
Yahooについては、元祖インターネット企業であり、メリッサ(CEO)は「インターネットをクリエーターのための究極のカンバスにする」というTumblrの夢を共有している、彼女に力を貸してもらえてこれほどありがたいことはないとの評価。
商売の面についても、広告という言葉はないものの、コミュニティや皆が愛するプロダクトを損なうことのないTumblr のビジネスのビジョンを共有できている、と表現しています。
結びは「これまでもそうだったように、Tumblrのすべては、この信じられないほどすばらしいコミュニティのおかげで成り立っている。失望はさせない。」(ついでに署名は「Fuck yeah, David」)。
このように、少なくとも両社CEOコメントのレベルでは、また特に Tumblr のサービスを David 個人の資質に結びつけて解釈してきたようなコアなオーディエンスにとっては、当面の心配を軽減させる言葉が並んでいます。 逆にいえば、「米Yahooに買われるとロクなことにならないだろう」という反応が世界的にここまで大きかったことに改めて感慨を覚えざるを得ません。
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