東芝は、全地球測位システム(GPS)などを使って、携帯電話が持ち主の行動を推測できる技術を開発した。出勤するため家を出たら、最寄り駅の電車の発車時刻が自動的に携帯画面に表示されるなどの使い方ができるという。早ければ年内にも実用化する。
最近の携帯には、位置情報が分かるGPSや、揺れや振動など端末の動きを感知する加速度センサーを内蔵した端末が増えている。東芝はこれらの技術を組み合わせ、携帯をポケットやかばんに入れておくだけで、持ち主が今どこにいて、どんな状況なのかを判断できるようにした。
例えば、朝、家の近くを歩いていれば「出勤で会社に向かう途中」、昼に会社を出れば「昼食を食べに出る」などと判断。最寄り駅の時刻表や職場近くのグルメスポットなどを、自動的に携帯の画面に表示する仕組みだ。
これまで自分で携帯を取り出し、ネットにつないで調べるなどして得ていた情報が、自動的に表示されるわけだ。学習機能も付いており、使えば使うほど、その人の行動様式や好みに合った情報が示されるようになるという。
開発に携わった東芝の担当者は「携帯が『秘書』のような役割を務めることで、持ち主の生活をより快適にできる」と話している。
今後、具体的なサービスの提供方法を検討する。
朝日新聞 2010.1.28