2011年1月28日金曜日

結局クックパッドは楽天レシピに抜かれる弱肉強食WEB

invizi(2011.1.27)

楽天ににらまれたクックパッド

■ 完全な弱肉強食社会

「「年内にクックパッド抜く」--楽天レシピ、ポイント連動で攻勢」
http://japan.cnet.com/news/business/20425484/

楽天が10月に公開したレシピ投稿サイト「楽天レシピ」が急成長している。4カ月でレシピ数は4万件を突破、月間訪問者数は200万人を超えた。

ということで、楽天がとうとう本気でクックパッドをぶっつぶしにかかっている模様ですね。

楽天によれば、2010年12月末時点のレシピサイトの月間訪問者数ランキングは、1位のクックパッドが797万人、2位のYahoo!レシピが290万人、3位の楽天レシピが216万人。楽天レシピはオープン初月の10月に早くも当時3位だったレシピブログを抜き去り、すでにヤフー!レシピも射程圏内にある。

ということで、レシピサイトはいくつかあるんですが、僕個人の感想としては、来年クックパッドはもうないですね。
いやはや。。。

サバンナとかにはライオンとかがいるわけですが、他にも動物はいくつかいます。
基本的にライオンににらまれて、本気で食われる状態になった場合、他の動物は逃げることができないわけですね。

ということで、まさに今ライオンににらまれたのが、クックパッドだったわけです。いやはや。。

■ 楽天は完全パクってワンモアバリュー

ということで、楽天がクックパッドを撃墜するシナリオは下記です。

楽天スーパーポイントとの連動だ。レシピ投稿とつくったよレポートの投稿でポイントが付与されるため、ユーザーのモチベーションが非常に高い。オリジナルレシピは50ポイント、つくったよレポートはレシピ考案者とレポート投稿者の双方に10ポイントが付与される仕組みだ。


「50ポイントは安いもの」とインフォシーク事業長の濱野斗百礼氏は語る。「クックパッドには現在約90万のレシピが投稿されているが、それらすべてに50ポイントを払って楽天に再投稿してもらってもわずか4500万円。ポイントはもっと高くしてもいいと思っている」とのことだ。


楽天の成功パターンは、「差分プラスオリジナリティ」だという。競合との差分をなくし、さらにオリジナリティをプラスするということである。それを楽天レシピにあてはめると、競合サイトであるクックパッドと同レベルのサイトの仕組みやレシピ量を提供し、さらに付加価値としてクックパッドが有料で提供しているランキング機能を無料提供したり、ユーザーの投稿にポイントを付与したりしている。

ということで、現在クックパッドは収益源として、検索やランキング機能がわりと有料会員しか利用できない仕組みになっていたりします。
これはまあ僕もたまにのぞいてみて、不便だなあとは思うものの、営利企業がやっているサイトなので、仕方ないのかなということで、有料会員も結構いるわけです。

ですが、それが楽天みたいなものすごい分母やポイントシステムを確立していて、広告収入だけで全然おkな企業が本気で襲いかかった場合、まったく足元にも及ばなくなってしまいますよね。。

楽天はポイントシステムと連動し、ユーザーがレシピを投稿した場合、ひとつにつき60円ももらえてしまう、さらにユーザーもどんどん増えそうだし、ほとんどの機能が無料で使える。さらに今後CM展開も行って、世間的にもメジャーなサイトになるわけです。

こりゃ~~誰だって楽天レシピを使ってしまいますよねえ。。

■ ライオンにすべてが飲みこまれてしまうウェブ業界の未来

ということで、クックパッドはわりといけてるベンチャーだったわけです。
クックパッドという媒体を中心として、認知度も向上させ、レシピを提供するという意味で、社会インフラになりつつありました。

ですが今回のように、莫大な資金とユーザー分母をかかえたライオンにねらわれた際、なすすべがないわけです。
サイトを構築する際の仕組み的なものはそれほど難しくないので、ユーザー次第な分、クックパッドはその進出を防ぎようがないということです。

これで本格的に楽天に吸収されるとなると、クックパッドとしては現在有料提供している機能すべてを無料にして、有料会員を廃止し、とりあえずユーザーが逃げていくことを防いでいかないといけないと思うのですが、そうなるともう営利企業というよりは、ボランティア団体くらいな収益しか得られなくなり、結果的にサイトにまわせるコストがなくなっていき、結果的にサイトはよくなくなってしまうので、おそらく今後もスタイルは変わらないと思いますが。。

ウェブサービスっていうのは誰にでも模倣が可能です。というより個人的には、模倣っていう概念自体がないと思っています。
いつ、いかなるときも、サイトは一瞬にして消滅する危険をともなっているという意味で、メディアは常に不安定な存在です。

たとえクックパッドレベルのユーザー文化を持っていたとしても、結局はユーザーはメリットが高い方向へ、長期的に見ると流れるでしょう。
こうなると小さな企業のメディア事業の未来って、とっても悲しいものになってしまうような気がします。。
今後こういうケースは増えていくと思うのですが、ウェブの未来とは、ライオンにすべてを搾取されるものになるんでしょうか。。
クックパッドを応援するとかそういう意識ではないですが、小さな企業が生み出した文化の永続性への関心っていう意味で、楽天レシピとクックパッドの未来を見守ってみたいですよ。


■ クックパッド

■ 楽天レシピ