ITmedia(2010.9.13)
「時間があるユーザー向けに、ゲーム性の高いゲームにも誘導していく」――ミクシィの笠原健治社長は9月10日、パートナー企業やWeb開発者向けイベント「mixi meetup 2010」でこう話した。
mixiアプリはこれまで、友人(マイミクシィ)との交流を強化するソーシャル性の高いアプリを推奨。GREEやモバゲータウンなど、ゲーム性の高いアプリプラットフォームと差別化を図ってきた。
10月から新たに、ソーシャル性が低く、ゲーム性の高いアプリへの誘導枠を、mixiアプリトップページに設置。「引き続きソーシャル性の高いゲームを推奨する」としながらも、ゲーム性の高いアプリへの誘導も強めていく。
●「全国大会」アプリにも誘導 マネタイズ支援も強化
mixiアプリはスタートから1年経ち、総数は2000を突破。当初からソーシャル性の高い「マイミク大会」(友人同士で競うアプリ)を推奨しており、ゲーム性の高い「全国大会」(ユーザー全員で競うアプリ)は「mixiならではのアプリにはならない」と説明してきた。
利用動向を見ても、ソーシャル性の高いアプリは月間アクティブ率が55%、低いアプリは24%。アプリの寿命もソーシャル性が高い方が長くなる傾向にあるという。ただソーシャル性の高いアプリは、アイテムを購入せずゆるく楽しむライトユーザーが多く、GREEやモバゲーで人気のゲーム性が高いアプリと比べると、課金率や課金額が低いという課題も指摘されている。
「社内でも議論があった」が踏み切ったというゲーム性の高いアプリへの誘導の強化は、課金率・課金額を伸ばし、アプリプロバイダーのビジネスを支援するという狙いがありそうだ。アプリ内課金の仕組みも新たに、プロバイダーがマネタイズしやすいよう改善。従来、アプリ公開から課金まで約4週間必要だったが、公開からすぐに課金できるようにする。
アプリのページビューに応じてプロバイダーに一定額を支払っていた「マネタイズ支援プログラム」は、「ソーシャル性の重要な指標となる」ユニークユーザーごとに支払う形に変更。支払いはアプリ公開当月にスタートする。アプリの売り上げの10%と引き替えにインフラを提供する仕組みや、アプリ運営ノウハウの提供なども進め、アプリプロバイダーを支援していく。
mixiアプリは新たにスマートフォンに対応したほか、中国・韓国最大のSNSを運営する企業とプラットフォームを共通化していく計画。アプリプロバイダーが、端末や国境を越えてアプリを提供できる仕組みの整備を進めていく。