2010年12月8日水曜日

ストレスをコントロールする脳内物質の作用メカニズムを解明

放射線医学総合研究所(2010.10.19)

 独立行行政法人放射線医学総合研究所(理事長:米倉義晴、以下、放医研)分子イメージング※2研究センター分子神経イメージング研究グループ(須原哲也グループリーダー)の辛龍文(しんりょんむん)主任研究員らは、ストレスを感じた時に脳内で起こる神経活動について研究を行い、ストレスに対処するメカニズムの一端を明らかにしました。
 今回の研究では、ラット脳の神経活動を記録し、これまで報告されてきた神経活動とは異なる別の神経活動がストレスに関わっていることを見出しました。さらに、ストレスを感じた時に脳内に放出されるカンナビノイドという物質がストレスを抑制することを明らかにしました。今後、PET※3を用いて脳内カンナビノイドのイメージングを行うことによりストレスの定量化が可能となり、ストレスの客観的な診断につながる可能性があります。
 本研究は、放医研と米国ハーヴァード大学との共同研究による成果で、2010年10月19日午前4時(日本時間)、米国科学アカデミー紀要※4のオンライン版に掲載されます。