2011年6月20日月曜日

フェイスブック、「北米ユーザーが大幅に減少」との指摘に抗弁


COMPUTERWORLD.jp(2011.6.15)

ソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)大手の米国Facebookが、同社サイトの人気が北米で低下しているとの指摘に異を唱えた。「Inside Facebook」Webサイトによれば、米国およびカナダの「Facebook」ユーザー数は5月の1カ月間に730万人減少し、また4月、5月のユーザー増加数はそれぞれ1,390万人、1,180万人と、これまでのひと月あたり2,000万人ペースを下回ったという。
 だがFacebookは、Inside Facebookのデータには誤りがあるとの声明を発表した。
 「時折こうした、特定の地域でFacebookユーザーが減っているという報道を目にする。こうした報道の一部は、我々が提供する広告配信ツールから抽出したデータを基にしているが、このツールはFacebook広告が伝播する範囲をおおまかに見積もるためのものであり、Facebookの成長を全般的に追跡する目的で設計されてはいない」(同社声明より)
 Facebookは自らの成長を「たいへん喜ばしく思っている」と記しているが、これに続くのは真偽の定かではない一文だ。「Facebookのアクティブ・ユーザーの50%以上は、毎日ログオンしている」。
 Facebookは2010年にユーザー数が5億人であることを公表したが、基本的にユーザー・データについては口が重く、また株式公開企業ではないためそうした数値を明らかにする義務もない。
 ほかに有用な情報がないため、アナリストらはFacebookの成長率(もしくは縮小率)を自力で推定する必要がある。Inside Facebookも、同サイトが示した数値に「エラーがある」こと、大学の学期中など季節的な傾向に左右されやすいことを認めている。
 インターネット市場リサーチ会社comScoreも英国BBCに対し、同社の計測によれば5月の米国Facebookユーザー数は21%増加しており、Inside Facebookの数値には疑問が残ると語った。
 ビジター数は、将来の成功のために欠かせないFacebookの生命線である。高いビジター数がなければ、同社が広告主を引きつけることは難しくなるだろう。
 複数のアナリストは、世界中で50億ものアカウントが作られている現状を考慮するに、Facebookは北米および欧州で飽和点に達しようとしていると話した。簡単に言えば、Facebookのアカウントがほしいと思う人はもうすでに持っているということである。すなわち同社のさらなる成長は、今までとは別の場所をターゲットにしなければ難しい。例えば、北米ではユーザー数が落ち込んだとされる5月でも、メキシコ、ブラジル、インド、インドネシアおよびフィリピンでは利用者数が増えている。
 Facebookの創立者であり最高経営責任者(CEO)でもあるマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏は先日、現在は利用規約上禁止されている13歳未満の児童も、Facebookアカウントを作れるようにすべきだと発言した。これもFacebookが成長を渇望しているゆえのことだろう。