2010年1月28日木曜日

歯磨き行動の脳への作用を研究:疲れたあとに歯磨きをすると、脳が活性化し、気分リフレッシュ


花王株式会社(社長・尾崎元規)ヒューマンヘルスケア研究センターは、むし歯や歯周病などのさまざまなお口のトラブルに関する研究や美しい歯に関する研究などを通して、お口の健康価値の提案に取り組んでいます。
このほど、千葉大学フロンティアメディカル工学研究開発センター脳機能計測解析研究部門 下山一郎教授と共同で、脳が疲れたあとの歯磨き行動が脳や心理に与える作用を研究し、歯磨き行動が脳を活性化し、気分をリフレッシュする効果を持つ可能性を見いだしました。

今回の研究では、計算作業による疲労付与後に歯磨き行動をしたときの脳への作用を、客観的に評価するため、脳と心理の状態を同時に測定する“統合生理研究手法”を用いて検討しました。脳の活性化は、脳の疲労度や注意力に関係する指標などを用いて評価し、脳の疲労度はフリッカーテスト*1 、注意力は脳波の測定*2 を実施しました。また心理状態は、自己評価を数値化するVAS法*3 により評価しました。

その結果、疲労後に歯磨きをすると、歯磨きしない場合と比べ、脳の疲労は有意に低減しました。また注意力も高まる傾向が認められました。これより、歯磨き行動により脳が活性化したことが推測されました。また心理状態についても、疲労後に歯磨きをすると、リフレッシュ感が有意に高まり、集中力やすっきり感も高まる傾向が認められました。これより歯磨き行動には、仕事や勉強などで疲れた時に脳を活性化し、リフレッシュする効果があると考えられました。

本結果は、IUPS2009第36回国際生理学会大会・第86回日本生理学会大会(2009年7月27日~8月1日、京都国際会館)で発表し、産業衛生学雑誌(第52巻2号、2010年3月発行)に掲載の予定です。

http://www.kao.com/jp/corp_news/2010/20100114_001.html