2013年11月7日木曜日

米Yahooが Flickr を全面リニューアル、無料で1TBまでアップロード可能に

Engadget Japanese(2013.5.21)

米Yahoo が20日に開催したニューヨークでのメディアイベントは、買収したばかりの Tumblr よりも Flickr の全面リニューアル発表がメインでした。


「Tumblr はダメにしない」と約束すれば「じゃあ Flickr はどうなった?」と即答されるほど買収後の凋落を嘆かれる Flickr ですが、Yahooは過ちを認め、 Flickr を再び素晴らしいサイトとして復活させるとうたっています。

リニューアルの目玉は大きな写真を敷き詰めた新ユーザーインターフェース、無料で1TB容量の提供 (「6.5Mピクセル写真にして53万7731枚」)、モバイルアプリの大幅強化など。続きには新デザインの概要と、発表からの質疑セッションを掲載します。





無料ユーザーがアップロードできる容量を1TBに拡大。「フルサイズ写真で53万7731枚分」(フルサイズは約2MB換算?)。



ウェブサイトとモバイルアプリのデザインを全面刷新。大きな写真を主体に。

旧 Flickr は写真のまわりの余白にテキストやリンクが散在する、いかにも素直な「写真+テキスト」のウェブページだったのに対して、新 Flickr は大きな写真を細いフレームで敷き詰めて、テキストをオーバーレイしたレイアウトへ。

最近の Google+ アルバムや、マイクロソフトの SkyDrive アルバム表示のように、写真をクロップせず余白なく敷き詰めて見せる。



モバイルアプリも新デザインに更新。Android版から。



最近は必須になった「共有アイコン」も常設。同じYahoo参加になった Tumblr はもちろんFacebook、Twitter、Pinterest、メールで共有。



一枚表示。白い余白にサイズ違いへのリンクが並ぶ見慣れた Flickr から、フル画面に近い表示と黒背景、上下にナビゲーションへ。




前職 Google のイベントでも何かと顔出ししていた Mayer CEOも会心のドヤ顔。

質疑より。



Q:Flickr と Tumblr を連携させたようなサービスは?
A:可能性はあるが、Tumblr は買ったばかりで話はまだ。

Q: Tumblr は NYCの新オフィスに移るのか?
A:移転しません。

Q:ユーザーにそんな大容量を与えてどう得になる?
A:「世界は写真で回ってる」。大事なのはできるかぎり無制限に近づけて、ユーザー、クリエーターが容量について心配しないで済むようにすること。

Q:Facebook や Instagram との違いは?
A:無制限のアップロードや、写真を切りとらず、縮小もしないこと。
また Yahoo は多くのパートナー企業と密接に協力しており、競合排除を避ける。アップル、マイクロソフト、Google、Facebook と協力して、Flickr の写真が最適なフォーマットで扱えるようにしている。

Q:発表したばかりの Tumblr 買収について。Tumblrの Karp CEOはどんな反応だったか。
A:Yahoo と Tumblr は相補的な関係。Yahoo はコンテンツが欲しかった、Tumblr は大企業のリソースやツールが必要だった。当初は買収ではなく、提携のつもりで話を進めていた。

Q:Tumblr とYahooの客層、年齢層の違いについて。
A:Tumblr のユーザー層は若く、Yahoo のユーザー層はもっと年齢が高め。Tumblr がリーチしている層はこれまで Yahooブランドが弱かった部分。お互いにとって成長の余地がある。

写真は老若問わず重要。新Flickr のデザインは使い方がシンプルになり、すべての年齢層に訴求する。

Q:Tumblr にアップロードするコンテンツに制限は設けるのか。
A:否。Tumblr はもともと、ほかの大多数のユーザーコンテンツサイトよりもアダルトコンテンツが実は少ない。また、望むユーザーにだけ見せて、望まないユーザーは見ないようにする技術もある。

Q:Flickr がふたたびすごいサービスになったからといって、どうやってそれを知ってもらうのか。
A:マーケティング。たとえばタイムズスクエアにはすでに11の大きな看板を設けて、Flickrのフォトストリームを流している。

Q:アップロードツールについて。
A:ウェブベースのシンプルなアップローダに加えて、OS X やモバイルにアップローダを統合。

Q:Flickr のプレミアムアカウントはなくなるのか?
A:" Flickr Pro " というものはない。 「プロ写真家」(とそうでない写真家との区別)がないように。

ストレージ上限を 2TB にする有料の「ダブラー」はある。また有料の広告オフオプションもある。

Q:Flickr 買収のように(失敗)しないために、社内的に何か変更したのか。
A:ほかの成功した買収から学んで、Tumblr は独立運営させることにした。勢いのある企業にはそれが重要。

Q:マネタイズを始める時期は。
A:すでに収益は上げている。またいくつか改善に向けて動いている。たとえば Mail から一部の広告を外して、かわりにもっと効率のよいものに変えた。ホーム画面広告も高品質で「シームレスに統合」されたものに変更など。

Q:ユーザーの写真を守るための冗長性確保は。
A:複数の場所のデータセンタやコロケーションサービスを使っている。心配はしていない。

Q:新デザインのお手本にしたのは?
A: 多数のモバイルアプリを研究した。
Retina ディスプレイが大きな変化を起こした。フル解像度でない写真はすぐに分かってしまう。

Q:Tumblr にとってYahooはなにができる。
A:投資と、人材を雇えることに加えて、コンテンツ発見ツールを提供できる。Yahoo には AI、パーソナライゼーション、検索の経験がある。